Pregnancy Life

新米夫婦の妊活体験ブログ

産後うつになった!?上手な付き合い方と予防法

待ちに待った我が子の誕生。SNSでは友人が充実した子育てライフを綴っていて、子どもが生まれたばかりの芸能人も産前と変わらないキラキラした笑顔をブログに載せている。自分もそうなるはずだったのに。

実際に生んでみると、出産でボロボロになった体をゆっくり休める暇もなく、思うように寝ることもできない生活が始まって、精神的にしんどくなる方も多いのではないでしょうか。「あれ、私産後うつじゃないかしら?」と不安になる方も中にはいるでしょう。今回は産後の情緒不安定や産後うつの原因・対処法・予防法について説明していきます。

 

産後うつとは

女性は出産すると、赤ちゃんや胎盤が体外に出て授乳が始まることによって、ホルモンバランスや自律神経の活動が大きく変化します。そこに育児による緊張状態の持続や、周りに頼れる人が少ないといった心理・社会的な要因が加わることで、精神的な不調をきたしやすくなります。

産後すぐに一時的に涙もろくなったり、気持ちが不安定になってしまうことをマタニティブルーズと言いますが、それが二週間以上続き、日常生活に支障をきたすと、産後うつと呼ばれるようになります。

ちなみに、マタニティーブルーズになった人が必ず産後うつに移行するわけではありません。マタニティブルーズの発症率は15~30%程、産後うつの発症率は10%程と言われています。

マタニティブルーズおよび産後うつの具体的な症状は、

  • 気持ちが不安定になる
  • 物事に過敏になる
  • 疲れやすく集中力が続かない
  • 孤独感や絶望感を感じるといったものです。

このような症状が二週間以上続いている方は産後うつの可能性があるため、できるだけ早く心療内科を受診してください。

産後の情緒不安定とどうやって向き合う?

産後の情緒不安定は、出産によるホルモンバランスの変化に、心理・社会的な要因が加わることで生じやすくなると説明しました。ではそのような状態に陥らないために、または陥ってしまったときに、どうすればいいのでしょうか?

まずは自分なりのリラックス方法を見つけることが大切です。心身ともに緊張を和らげてあげることが産後うつの予防にもなります。あなたにはどのようなリラックス方法がありますか?ゆっくりお風呂に浸かること、好きな音楽を聴くこと、おいしいケーキを食べること、マッサージをしてもらうこと、産前に好きだったことを諦めてしまっている方も多いのではないでしょうか。

「今は赤ちゃんが最優先、自分のことは後回し」「自分のことを優先してしまうなんて母親失格だ」と考えてしまっている方もいるかもしれません。母親も一人の人間です。そして母親自身が心身ともに健康であることが育児をする上でとても大切なことです。自己犠牲は必要ないので、ご主人や家族に預けられるのであれば、ときには赤ちゃんを預けて積極的に自分の時間を作りましょう。

自律訓練法産後うつ対策

心身の緊張をほぐす方法として有名なものに、自律訓練法という心理療法があります。わずか数分でどこでも行えるリラクセーション法なので、赤ちゃんが眠って一息つくときなどに試してみてください。

自律訓練法のやり方

①準備 静かな場所で、ゆったりとした服装で、椅子やソファに腰掛けます。または、両手両足をやや開いて仰向けで寝ます。準備ができたらゆったりした姿勢で深呼吸をして、気持ちを落ち着けていきます。気持ちが落ち着いてきたら、軽く目を閉じて「気持ちが落ち着いている」と心の中で数回唱えます。十分に気持ちが落ち着いたら、本番です。

②第1~6公式に取り組む。 まずは第1公式です。利き手に意識を向けて利き手の重さをただ感じます。同時に心の中で「右(左)手が重たい」と唱えます。次に逆の手に意識を向け、「左(右)手が重たい」と唱えます。そして「右足が~」「左足が~」と順番に行っていきます。心を落ち着かせて、ただただ体の感覚に集中するのです。

第1公式ができると第2公式に移ります。

第2公式では手足の温かさを感じます。手順は第1公式と同じです。まずは利き手の温かさを、次に逆の手の温かさ、そして利き足の温かさ、逆の足の温かさと進んでいきます。

第3公式では心臓の鼓動に集中します。ただただ心臓の鼓動を感じ取りましょう。

第4公式では呼吸に集中します。深くゆっくりと呼吸し、その呼吸を感じ取りましょう。

第5公式ではお腹の感覚に集中します。リラックスできていれば、お腹がほんのり温かい感覚があるでしょう。

最後に第6公式です。第6公式では額の感覚に集中します。リラックスしていれば、手足やお腹の温かさを感じると同時に、額は冷たく涼しい感覚が得られます。このような状態をただただ感じ取ることで、心身は更にリラックスした状態となります。

以上が自律訓練法のやり方です。最初からうまく行うことは難しいので、まずは第2公式までを目標に毎日取り組んでみましょう。慣れてくると数分で第6公式までできるようになります。

その他の産後うつ対策

ここまでは自分で行えるリラックス方法について説明してきました。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんとの生活で、物理的に自分の時間が全く取れない、育児と家事に追われて疲弊しきってしまっているお母さんもいるかと思います。

そのような場合は公的なサービスを使うのも一つの手です。多くの自治体で、赤ちゃん家庭を対象に一時間数百円程度で家事・育児のお手伝いをしてくれる産後ヘルパー事業を行っています。

また、一定の月齢に達すれば、自治体が委託している保育所の一時保育に一日数百円で預けることもできる自治体もあります。自分が住んでいる自治体がどのようなサービスを行っているのかは、役所や保健所に問い合わせれば教えてくれます。このような公的なサービスをうまく利用するのも、産後の母親自身の心身の健康を保つために大切なことです。

さらに、産後の精神的な孤独感を紛らわせるためには、SNSを上手に活用することをおすすめします。例えばtwitterでは「#2017○○○_baby(○○○には生まれた月の頭文字3つを入力。2017年4月なら#2017apr_baby)」のハッシュタグで検索すれば、同じ月齢のママさんとつながることができます。

夜間授乳で辛いとき、昼間一人で泣き続ける我が子と対峙しないといけないとき、twitterを覗けば同じ状況にいるお母さんがいます。そして、育児のしんどさを呟けば励ましてもらえます。まだ赤ちゃんが小さくてあまり外にも出られない時期は、どうしても孤独になりがちです。こうしたSNSをうまく活用して仲間を作ると、お互いに励まし合うことができて良いですよ。

産後うつまとめ

ここまで、産後の情緒不安定の原因や対処法についてまとめてきました。先に述べたように、育児のために母親が自己犠牲になる必要はありません。いかに自分が気楽に育児をできるかを考えましょう。そのために、自分がどのような方法でリラックスできるか、困ったときはどのようなサービスがあるかを知っておくことが大切です。

また、初めての育児では、赤ちゃんが泣くとどうしていいか分からず、お母さんも泣きたくなることがあると思います。赤ちゃんがどうしても泣き止まないときは、おむつを替えて、授乳をして、部屋を適温にして、熱やどこか痛がるところがないか確認して、それでも泣き止まないなら、赤ちゃんをベビーベッドなどの安全な場所に置き、違う部屋に行ってコーヒーやハーブティーを飲んで心を落ち着かせましょう。

そして、もし、育児に追い詰められて大切な赤ちゃんを傷つけてしまいそうになったら、児童相談所の全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」に電話して助けを求めてください。365日24時間つながります。また、日常生活に支障が出るくらい辛かったり、「死にたい」と思ってしまうようなことがあれば、我慢せずに心療内科を受診しましょう。

かけがえのない我が子を守るために、お母さん自身が健康でいられることが大切です。そのために、周囲に甘えられることは甘え、自分に厳しくなりすぎないくださいね。